◆地域間格差は高水準のまま推移

 

内閣府は、都道府県ごとの所得を示す2007年度の「県民経済計算」を発表しました。各都道府県の1人当たりの所得は平均3059,000円(前年度比0.7%増)となり、4年連続で前年度を上回りました。47都道府県のうち、29府県で増加、18都道県で減少となっています。

 

地域別にみると、中国や九州など製造業の拠点が増えた地域では伸びましたが、北海道・東北や四国はマイナスとなりました。

 

地域間格差を示す指数は前年比ほぼ横ばいでしたが2000年代前半に差が広がった状態がそのまま続いています。内閣府では、「県民所得のばらつきは高水準にとどまっており、地域間の格差の広がりが統計的に裏付けられた」としています。

 

 

◆上位5都県の平均所得3605,000

 

1人当たりの所得は、働く人の賃金や企業の利益、配当や利子の収入の合計を人口で割って計算されます。ここでの所得には個人所得のほか、法人所得も含まれているため、個人の所得水準というよりも、地域全体の経済力を示しています。

 

1人当たりの所得の実額を都道府県別で比較すると、上位1位〜5位は、東京都(454万円)、愛知県(359万円)、静岡県(338万円)、神奈川県(328万円)、三重県(323万円)となっており、上位5都県の平均県民所得は約3605,000円となっています。

 

下位1位〜5位は、沖縄県(205万円)、高知県(211万円)、宮崎県(215万円)、長崎県(219万円)、鹿児島県(235万円)でした。

 

東京都と沖縄県の格差は約2.22倍となり、前年の約2.23倍からわずかに縮小しましたが、その差は依然として大きいことがわかります。

 

 

 

◆公共事業への依存の高さが問題

 

都道府県間の所得のばらつきを示す「変動係数」は15.30%となり、前年度(15.33%)から横ばいです。2002年度に上昇に転じてからは高い水準で推移しています。

 

また、1人当たりの所得の伸び率は、自動車、電機、一般機械などの輸出産業を多く抱える地域で所得が増えた一方、公共事業への依存度が高い地方でのマイナスが目立つ結果となりました。

 

佐賀県は、電気機械産業が大きく伸びたほか、化学や一次金属も好調に推移し、前年度比5.0%増と最も高い伸び率を示し、広島県(4.0%増)、茨城県(3.9%増)がこれに続きました。対して、建設業や卸小売業が不調だった北海道(3.4%減)、滋賀県(3.0%減)の順に減少幅が大きくなりました。

 

社会保険労務士法人 D・プロデュース