◆「労働組合基礎調査」の結果から

 

全国の労働組合の推定組織率が、2009年6月末時点で前年を0.4ポイント上回る18.5%となり、1975年以来34年ぶりに上昇したことが、厚生労働省の「労働組合基礎調査」で明らかになりました。

 

同省では、経済状況の悪化で、パート労働者の労働組合加入が大幅に増加したことや、組織率を計算する際の分母となる雇用者数が約5,455万人と前年比で約110万人減少したことが要因だとみているようです。

 

 

◆組合数は減少

 

同調査では、全国2万6,696の労働組合を対象に2009年6月末時点の状況を調査しています。これによると、組合員数は約1,0078,000人で、前年同期比で約13,000人増となっていますが、組合数は269減少しています。

 

また、推定組織率(雇用者数に占める労働組合員数の割合)は、18.5%で前年比0.4ポイント上昇となりました。

 

労働組合員数を産業別にみると、製造業が最も多く約2753,000人で全体の約3割を占め、次いで卸売業・小売業が約1148,000人となっています。

 

 

◆パートタイム労働者の状況等

 

パートタイム労働者の組合員数は約70万人で前年比約8万4,000人増となっており、全労働組合員数に占める割合は7.0%、推定組織率(パートタイム労働者の労働組合員数を短時間雇用者数で除して得られた数値)は5.3%となりました。

 

主要団体別の組合員数では、連合(日本労働組合総連合会)が約6832,000人と前年比約7万人増加しているのに対し、全労連(全国労働組合総連合)が約883,000人と前年比約11,000人減、全労協が約14万人と前年比約3,000人減(全国労働組合連絡協議会)となっています。

 

 

◆団体交渉の要求が増加する可能性も

 

不況による影響で雇用情勢が悪化する中、従業員からすれば雇用維持・雇用確保等を掲げる労働組合への期待はますます高まります。

 

その反面、事業主にとってみれば、労働組合から団体交渉を求められるリスクが高くなってきます。団体交渉を求められることのないよう、常日頃からしっかりとした労務管理を心掛けておくべきでしょう。

 

 

社会保険労務士法人 D・プロデュース