◆民主政権で何が変わった?

 

民主政権に変わり、雇用関係に関しても様々な動きがありますが、今回は、中小企業にとって影響の大きい「中小企業緊急雇用安定助成金」の変更点と「雇用保険法」の改正案を取り上げたいと思います。

 

 

◆「中小企業緊急雇用安定助成金」の変更内容

 

「中小企業緊急雇用安定助成金」の支給要件が次のように緩和されています。

 

(1)助成金対象の拡大

 

これまで、出向労働者を出向元に復帰させた後、6カ月を経ずに再度出向させた場合には助成金の対象外であったものが、対象とされました。

 

これは、平成221129日までの時限措置とされています。

 

(2)生産量要件の緩和

 

生産量要件(従来は「売上高・生産量の最近3カ月間の月平均値がその直前3カ月または前年同期に比べ5%以上減少していること」)に、「売上高・生産量の最近3カ月間の月平均値が前々年同期に比べ10%以上減少し、直近の決算等の経常損益が赤字であること」が加えられました。

 

この要件は、対象期間の初日が平成2112月2日〜平成2212月1日の間にあるものに限られます。

 

◆「雇用保険法」の改正案

 

厚生労働省は「雇用保険法」の改正原案をまとめ、その内容を明らかにしました。来年の通常国会に改正案を提出し、今年4月からの施行を目指すとしていますので、今後の動向に要注目です。

 

(1)加入に必要な雇用見込み期間の短縮

 

雇用保険への加入の際に必要とされる雇用見込み期間について、現行の「6カ月以上」から「31日以上」に短縮するとしています。この適用拡大により、新たに255万人が雇用保険の加入対象になると試算されています。

 

(2)雇用保険料率の引上げ

 

労使折半とされている雇用保険料率について、現行の「0.8%」から「1.2%」に引き上げるとしています。

 

(3)未加入扱いの遡及期間の延長

 

保険料を納付したにもかかわらず手続上の問題により未加入扱いとなった人の遡及期間について、現行の「2年まで」から「2年超」とするとしています。

 

 

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