昨年9月に厚生労働省が実施した「高年齢者雇用実態調査」の結果が発表されました。この調査の目的は、高年齢者の雇用状況や、平成18年に改正された「高年齢者雇用安定法」の施行後の実態を把握することです。

 

まず、60歳以上の労働者を雇用している事業所の割合は59.4%(平成16年の前回調査では50.5%)で、前回調査時に比べて8.9ポイント上昇し、企業規模が大きいほど割合が高くなっています。

 

事業所の全常用労働者に占める高年齢労働者の割合でも、60歳以上の労働者の割合は10.0%(同7.6%)で前回調査時に比べ2.4ポイント上昇しています。

産業別では、60歳以上の労働者を雇用している事業所の割合は、製造業が81.1%と最も高く、次いで建設業が71.1%、運輸業が69.6%となっています。

 

 

定年制がある事業所の割合は73.5%(平成16年の前回調査では74.4%)、逆に定年制がない事業所の割合は26.5%(同25.6%)となっています。

 

事業所の規模別に定年制がある事業所の割合を見てみると、1,000人以上規模が99.8%と最も高く、5〜29人規模が69.6%と最も低くなっています。また、前回調査時に比べ、定年年齢65歳以上の事業所割合が上昇しています。

 

 

一律に定年制を定めている事業所で定年年齢が6064歳の事業所では、「継続雇用制度」がある割合は89.1%で、このうち「勤務延長制度」があるのは27.3%、「再雇用制度」があるのは83.5%となっています。

 

また、「勤務延長制度」がある事業所のうち、「勤務延長制度」のみがある事業所の割合は16.5%、「再雇用制度」がある事業所のうち、「再雇用制度」のみがある事業所割合は72.7%となっています。

 

平成18年に改正された「高年齢者雇用安定法」による段階的な65歳までの定年年齢の引上げや、継続雇用制度の導入義務付けが浸透し、ベテラン社員の経験・能力を有効活用する企業が増えている実態がうかがえます。

 

 

b9e4c1ad.jpg社会保険労務士法人 D・プロデュース