厚生労働省は、子育てや介護などで就業時間に制約があっても正社員として働くことができる「短時間正社員」を定着させるため、助成金制度を今夏にも拡充する構えのようです。

様々な雇用形態が入り混じる現代で、就業意識や価値観の変化により、個人の希望に応じた働き方を選択したいという労働者が増加しています。

 

 

短時間正社員は、「正社員」としての身分は変わりません。1日の労働時間や1週間の労働日数をフルタイム正社員より短くするものの、仕事はフルタイム正社員と同じで、給与や賞与は働いた時間に比例して支払われ、昇進は通常の正社員と同等に扱うなど、これらの点で非正社員とは区別されるものです。

 

個人の希望に応じた働き方を選択したいという労働者が増加しているなか、中でも育児や介護の課題を解決し、就業を継続しながら仕事と家庭の両立を目指す手段としては有効な働き方と言えるでしょう。

 

 

時短で働く方法としては「ワークシェアリング」の名称が知られていますが、これは、仕事の総量を労働者で分かち合うというもので、1人当たりの労働時間を減らすことによって企業全体での雇用を維持したり、様々な業務ごとの短時間労働を組み合わせることによって雇用機会を増やしたりすることにつながるというものです。

 

これに対して、短時間正社員制度は、労働者の地位を正社員と同じにするというもので、特に現在就労中の人にとっては、現状の業務を続けやすいと言えるでしょう。

 

 

 現在、企業が短時間正社員を導入する際、「短時間労働者均等待遇推進助成金」(パートタイマー均衡待遇推進助成金)として最大40万円を支給される制度があります。

 

 

豊富な業務経験を持っていても就労条件が合わないために働き続けることができなければ、労働者のみならず企業にとっても大きな損失になりかねません。労働力を有効に活用するために、国や企業には柔軟な対応が望まれるのではないでしょうか。

 

 

b9e4c1ad.jpg社会保険労務士法人 D・プロデュース