雇用保険法等の一部が改正(平成21年3月31日施行)されたことについては以前、当ブログでも少し取り上げましたが、以下その概要について3回シリーズでお届けします。

改正項目

1.雇用保険の適用範囲の拡大

2.雇止めとなった非正規労働者に対する基本手当の受給資格要件の緩和と所定給付日数の拡充

3.再就職が困難な者に対する給付日数の延長

4.再就職手当の給付率引き上げ及び支給要件の緩和

5.常用就業支度手当の給付率引上げ及び支給対象者の拡大

6.育児休業給付の統合と給付率引き上げ措置の延長

7.雇用保険料率の引下げ

 

では、さっそく項目1から見ていきましょう。

 

◆1.雇用保険の適用範囲の拡大 

短時間就労者 及び 派遣労働者 の雇用保険の適用基準が次の通り緩和されました。

(旧)・1年以上の雇用見込みがあること

   ・一週間あたりの所定労働時間が20時間であること

(新)・6カ月以上の雇用見込みがあること

   ・一週間あたりの所定労働時間が20時間以上であること

 

☆コメント>

一般の雇用期間の定めのないフルタイムの労働者についてはすぐに加入できる雇用保険も、パート・アルバイトさんのような短時間就労者や雇用期間に定めのある派遣さんについては1年以上の雇用見込みがないと雇用保険に入れませんでした。改正後は、1年→6カ月となり、より加入対象者が増えました。

☆注意点>

4月1日以前に雇い入れしている労働者で、4月1日までに雇われていた期間と4月1日以降の雇用予定期間とを合わせて6か月以上になる場合も対象です。

ですので、もしまだ届け出をされていない事業主の方は、ハローワークへ雇用保険被保険者資格取得届を提出しなければなりませんのでご注意ください。

 

◆2.雇止めとなった非正規労働者に対する基本手当の受給資格要件の緩和と所定給付日数の拡充

特定理由離職者の基本手当の受給資格要件が以下の通り緩和されました。

(旧)離職日以前の2年間に被保険者期間が通算して12カ月以上必要

(新)離職日以前の1年間に被保険者期間が通算して6カ月以上必要

 

☆コメント>

・「基本手当」とは、いわゆる”失業手当”のことです。

・”特定理由離職者”ではない以下2者については従来のままです。

 *一般の受給資格者・・・上記(旧)の要件のままです。

 *特定受給資格者・・・もともと上記(新)の要件で、改正後も(新)の要件のままです。倒産などの理由により離職した場合がここに該当します。

・特定理由離職者とは、次のいずれかに該当する者をいいます。

ヾ間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ当該労働契約の更新がないことにより離職した者。

(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る)

∪掬な理由にある自己都合により離職した者

☆注意点>

受給資格に係る離職日が平成21年3月31日以降の者が対象となります。

 

期間の定めのある労働契約が更新されなかったことにより離職した者は、基本手当の所定給付日数が特定受給資格者と同様に手厚くなった。

☆コメント>

「基本手当の所定給付日数」とは、「失業手当がもらえる日数」、と考えていただければと思います。長ければ長いほど補償が厚いということで、失業の理由や働いていた期間の長さ、年齢などによって決められます。

これまでは、「契約が更新されなかった→解雇ではない」、ということで、倒産や会社都合で解雇された者等が該当する「特定受給資格者」とは区別され、「自己都合退職」と同様の(軽い?)扱いを受けてきました。

しかし、実際は自己都合とは到底考えられない状況が多いため倒産等と同様の扱いとなったのです。

☆注意>

・雇用保険の加入期間や離職時の年齢により所定給付日数が手厚くならない場合があります。

・受給資格に係る離職日が平成21年3月31日から平成24年3月31日までの間である者が対象となります。

 

期間の定めのある労働契約の締結の際に労働契約が更新されることが明示されていたにもかかわらず契約の更新がされずに離職した者については、雇用期間が一年未満であれば特定受給資格者となっていたが、雇用期間一年未満という要件を緩和し、雇用期間一年以上でも該当するようになった。

☆コメント>

これについては、もともとの規定の理解が難しいところだと思います。

もともとは、「期間雇用とはいえ1年以上働いたなら契約更新されなくても致し方ないだろう」といった趣旨を含んでおり、たとえば、期間雇用で1年半働いた人が契約更新されず離職しても自己都合退職の人と同じ扱いだったわけです。一方、1年未満で契約更新されなかった人は会社都合離職と同じ手厚い補償(特定受給資格者)でしたので、なんだかアンバランスな気はしていました。

これが、両者とも特定受給資格者として扱われることとなったのです。

☆注意>

受給資格に係る離職日が平成21年3月31日以降の者が対象となります。

 

・・・次回は、「3.再就職が困難な者に対する給付日数の延長」からお届けします!

 

お問合せはこちら

b9e4c1ad.jpg社会保険労務士法人 D・プロデュース