Dプロの古川です。

私は以前勤めていた商社で、国内の製鉄所の予備品を納入する仕事をしていたのですが、決済条件が納入後4カ月〜6カ月と結構長く、予備品を制作するメーカーは納品してもすぐに入金できないため、特に下請けのメーカーは苦慮されていたようでした。

そんな時、「黒字倒産」という言葉を知り、調べてみて納得したのですが、これは、品物を納品し企業の売上となって経理上黒字になっても、その納品先が支払いを渋ったりなどし売上金を回収できなければ、従業員への給与の支払、納税などが滞ってしまいます。このことが企業の存続が危ぶまれる事態にまで発展する可能性があるとのことです。そうしたことからキャシュフロー経営が注目されているのですね。

本日は、こういった環境の企業にとって吉報となるかもしれない制度が始まりますので、是非ご紹介したいと思います。

それは、今月21日から、中小・小規模企業が将来起こりうる資金ニーズに備え、あらかじめ融資の保証枠を確保できる「予約保証制度」です。

 ◆予約保証制度の特徴◆

 ・保証付きの融資予約(1年程度)を可能とする制度

 ・中小企業の業種指定はナシ

 ・あらかじめ金融機関と信用保証協会の審査は必要

 ・予約時の手数料はナシ!

 ・実際に融資を受ける段階で特別の保証料率(0.2%程度)の上乗せアリ

不測の事態に備えた銀行・取引先企業間の資金提供の契約(コミットメントライン)はこれまでもあったのですが、これまでのシステムは資本金3億円を超える株式会社などの大企業に限られており、中小企業は対象外でした。

企業の多くが中小企業だということを考えると、こうした中小企業支援のための制度は大歓迎ですね。

この制度は、経営が順調に見えた企業が突然黒字倒産する、という事態を防ぐ1つの手立てとなると思います。

詳細は経済産業省 中小企業省のホームページをご覧ください。

http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/081107yoyakuHoshouSeido.htm

 

b9e4c1ad.jpg社会保険労務士法人 D・プロデュース