内閣府が行った調査で、「ワークライフバランス」(仕事と生活の調和)の意味を知らない人が9割近くに上ることがわかりました。「名前も内容も知らない」と答えた人が60.1%、「名前は聞いたことがあるが内容までは知らない」と答えた人が26.6%に上りました。

 

「ワークライフバランス」の実現に向けて政府・厚生労働省は様々な対策を講じたり、検討したりしていますが、なかなか浸透していないのが実状のようです。

 

先日、社会保障政策を強化して少子高齢化社会に対応することを目的として、政府が取り組むべき対策をまとめた「5つの安心プラン」の原案が明らかになりました。その中の1つとして、「子育て支援」が挙げられています(その他の4つは「高齢化社会への対応」「医療体制の強化」「非正規労働者の支援」「厚生労働行政の信頼回復」)。

 

また、厚生労働省は、子育てと仕事の両立支援のため、企業に「短時間勤務制度」と「残業免除制度」の導入を義務付ける方針を明らかにしています。育児休業を取得した後も働き続けられる環境を整備するのが目的で、来年の通常国会に育児・介護休業法の改正案を提出するとしています。

 

厚生労働省が先日とりまとめた「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」の報告書では、育児休業後の仕事と育児の両立が難しい現状、男性の育児への関わりの不十分さなどを指摘しています。

 

また、労働者が「短時間勤務」と「残業免除」を選択することのできる制度の整備や、出産後8週間に父親が取得する育児休業を「パパ休暇」として普及・促進することなどを求めています。

 

また、厚生労働省は、ワークライフバランスへの取組みを企業に広げるために、新たな民間資格である「仕事と生活の調和推進アドバイザー」を2009年度にも新設する方針を発表しました。新聞報道によれば、5年間で5,000人程度を養成したい考えで、同アドバイザーの利用促進のため、企業が助言に基づいて必要な行動計画を作成した場合の助成金の支給も検討しているようですので、発表された際には皆さんへお知らせしていきたいと思います。

 

 

b9e4c1ad.jpg社会保険労務士法人 D・プロデュース