本年実施された弁護士会が行う労働110番において労働相談の結果が発表されました。

 従来の相談事例では、不払い残業がダントツの
1位でしたが、今回の結果では1位:解雇問題、2位:セクハラ・パワハラ問題、3位:不払い残業問題と初めて不払い残業問題が1位から後退しました。この結果と関連があるのかどうかはわかりませんが、労働行政の在り方が最近変化してきたように思います。

 従来の是正勧告に代表される役所調査においては、不払い残業を徹底的に取り締まることがその目的の大半を占めていました。

 しかし、ここ最近の是正勧告や厚生労働省の通達を調べてみると、不払い残業というよりもその先にある「長時間労働・過重労働に起因する健康障害の防止」に力を入れているように思います。これは労働行政が、不払い残業の取締りから不払い残業などは払って当たり前という考えにシフトしていると言えます。

このことからも今後の企業の労務管理においては、労働基準法に基づく労働時間管理や賃金管理はもちろんのこと、労働安全衛生法に基づく企業の安全配慮義務、健康配慮義務についてその重要性が高まることが予想されます。

経営者の皆さんの中には最近の行き過ぎた感のある法令遵守の流れに疑問を感じている方もいらっしゃると思いますが、人材確保という側面から考えてもやはり法令遵守を意識した労務管理は大切です。

 ただ、中小企業が大企業並みに「がっちり・がちがち」の労務管理を行う必要は無いと思います。中小企業は実態に即し、まずは最低限の法令遵守を意識したものから行えば良いのです。キーワードは「できることからコツコツと」です。

 

 

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    社会保険労務士法人D・プロデュース