正社員に限らず、アルバイトやパートで働く労働者にも、最低賃金の適用があります。最低賃金は、その言葉のとおり賃金の下限規制であり、地域別と産業別のものがあり、地域別で神奈川県の場合、現在時給717円です。(全国の最低賃金を確認したい方はこちらをクリックして下さい。)

 仮に労働者本人が最低賃金額を下回る額について同意をしていたとしても、この最低賃金を下回るものは認めらず無効です。

 ただし、例外として次の方については労働局の認定を受けた上でこの対象から外れます。

 1、精神・身体障害のため、能力が低いとき

 2、試用期間中のとき

 3、都道府県知事の認定を受けた訓練を受けているとき

 4、所定労働時間が短いとき、断続的に仕事をするとき

 また、この最低賃金の対象でないものもあります。

 1、精勤手当、通勤手当、家族手当

 2、臨時に支払われる賃金

 3、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

 4、時間外、休日労働に対する賃金、深夜労働に対する賃金

 ところで、この最低賃金、課題が山積みです。まず、違反したときの罰則が緩い!労働基準法第44条、罰金等臨時措置法第2条の規定によれば、違反をしたとしてもたった2万円以下の罰金にしかなりません。今これを50万円に引き上げることが議論されていますが、2万円では違反抑止効果もほとんどありませんし、50万円でもどうかなと思います。

 そして、この最低賃金額についてですが、はっきり言って低いと言えます。時給717円の労働者が1日8時間、月に24日働いたとしても、1ヶ月の賃金は137,664円にしかなりません。最低賃金額が低いことで雇用も生まれるといった点や学生さんがアルバイトする程度ならばといった点でみればいくらか理解はできますが、人が生活する上でこれはちょっと低いな〜と感じますね。

益子

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