経営環境の変化や国際競争力の低下に伴って、賃金制度を改定する企業が増えています。

 よく耳にする制度としては年棒制がありますが、これは賃金を1年を単位にして決める方式です。従来は重役などを対象にして用いられてきましたが、近年では、主に管理職層を対象として用いられており、さらに営業部門など特定の部門も制度対象としている動きも出てきています。

 この年棒制は、主として成果・業績を賃金に連動させるという目的で導入されますが、類型別にみると、「職能資格別の職能年棒と業績評価による変動型年棒」とするものや、「職務・ポストに応じた固定額と業績評価による変動型年棒」とするものが多く、完全な業績年棒にするものは実はあまり多くはありません。

 しかも、平成14年の就労条件総合調査によると、年棒制を導入している企業の割合は、全体で1割程度で、1,000人以上規模の大企業でも30%弱という報告があります。イメージよりも少ないと感じる方も多いのでは?

 通常、賃金制度の改定においては、‐叉詆を縮小するものや定期昇給を廃止することで従業員全体の総賃金額抑制を重視するやり方や能力主義・業績主義を重視したやり方がありますが、そこにはいくつかの課題・問題点もあります。

 例えば、部門間の評価基準の調整が難しい、評価者の訓練が不足している、格差がつけづらい、仕事がチームワークによるため個人評価が難しいなどが主なものですが、評価によってはモチベーションの低下を招いてしまうなどもあります。

 今後、企業は生き残りをかけて、賃金制度の改定に着手するケースが増えてくることは間違いありませんが、改定を行う際には、当然ですがメリット・デメリットを視野にいれ、課題に対してはどのような対策を取ることとするかまでよく考えて進めることが重要です。

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