ここ数年、「総合職」、「一般職」とを分ける雇用管理を廃止する企業は増えていますが、まだまだこのようなコース別雇用管理を行っているところはあります。これは男女雇用均等と密接に絡んで問題になりやすい事項です。そこで今回は労働省女性局女性政策課が発表している指針を参考に「コース別雇用管理」をご紹介してみようと思います。

 「コース別雇用管理」とは、企画的業務や定型的業務等の業務内容や、転居を伴う転勤の有無等によっていくつかのコースを設定して、コースごとに異なる配置・昇進、教育訓練等の雇用管理を行うシステムをいいます。

 典型的には、基幹的業務又は企画立案、対外折衝等総合的な判断を要する業務に従事し、転居を伴う転勤があるコース(いわゆる「総合職」)、主に定型的業務に従事し、転居を伴う転勤はないコース(いわゆる「一般職」)、「総合職」に準ずる業務に従事するが転居を伴う転勤はないコース(いわゆる「中間職」)等のコースを設定して雇用管理を行うものです。

 また、例えば、一般職群や専門職群等一定の業務内容や専門性等によってコース類似の複数の雇用管理グループを形成し、そのグループごとに賃金、配置、昇進等の面で異なった取扱いをするものや、勤務地のみに着目し、採用した事業場の周辺等に勤務地を限定するとともに、勤務地に限定のない者とは異なる雇用管理を行うもの等いわゆる典型的なコース別雇用管理に類似した雇用管理を行うものもあります。

 問題なのは、企業が男女差別の隠れ蓑として、このコース別雇用管理を復活させる動きがあるということです。労働者の配置、昇進及び教育訓練については、合理的な理由がある場合を除いて、労働者が女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをしてはならず、例えば次のような措置は法律違反になります。

   ̄超函基幹的業務、海外で勤務する職務等への配置にあたって、その対象を男性に限る事

  一定の役職への昇進試験を実施する場合に、女性と男性で異なる取扱いをする事

  6軌薹盈、実習、海外留学による研修の対象者を男性(女性)のみとする事

  そ性労働者の教育訓練の期間や課程を男性と異なるものとすること

 これだけをみると少々漠然としていますので、「コース等で区分した雇用管理についての留意事項」もご紹介しておきます。

  ・「総合職」は男性のみ、「中間職」や「一般職」は女性のみといった制度を作ってはならない(形式的には男女双方に開かれた制度となっていたとしても、そのような慣行があるなど実際の運用において男女異なる取扱いをすることもいけません)。

  ・転勤があることが条件となっているコース等に応募した者のうち、女性に対してのみ、面接等により転勤の意思を確認することはいけません。

  ・「総合職」であっても、女性については営業職から排除するなどしてはいけません。

  なお、一定の役職に昇進するための試験の合格基準として、男性の適正を考えた基準と女性の適正を考えた基準の双方を用意することも、法律違反になります。

 厚生労働省のパンフレットはこちらから

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