先日、ある経営者の方とこんな話になりました。

 その経営者は、よい人材が育たないとの悩みを持っていて、これまでにもいろいろな手を打ってきたのだが、ほとんどうまくいかなかったとのこと。

 その方は社員には「プレイヤー Player」としての意識を持って仕事をしてもらいたいと考えており、つまり、社員自らが考え、責任感を持ち行動し、企業の重要な人材として売り上げや社業の発展のため積極的に貢献するということを期待していました。しかし、この想いが伝わらないまま、当の社員が「ワーカー Worker:指示されたことを誠実に行うだけ」の意識でしかない場合、その期待は裏切られてしまいます。 社員の中にはプレイヤー意識を持った者もいれば、自分は責任の少ないワーカーでよいという者もいるので、このワーカー社員にいくらプレイヤー意識を求めても労力ばかりが多く、教育や指導の過程でお互いに疲れてしまいます。経営者はこの所を認識した教育・賃金・労働条件の設定などの組織の構築を進めていかなければなりません。

 逆にパート社員や派遣社員などは初めからワーカーとしての雇入れなので、経営者との意識のギャップは大きくありませんが、最近はパート社員の戦力化対策が注目を浴びていてます。これはパート社員にもプレイヤー意識を持たせ組織力の底上げを図ろうというものです(効果的に進めるには当然、賃金や労働条件・待遇をそれなりのものにする必要が出てきます。)。 

 また、実際の現場においては正社員よりもパート社員の方が能力が高いということがありますが、いくらパート社員がプレイヤー意識や高い能力を持って働いたとしても、自分より待遇のよいワーカー社員が身近にいるであれば、次第にやる気が失せていってしまうかもしれません。

 だからこそ経営者は正社員に対してプレイヤー意識を持たせるような人事制度を構築することが必要になってくるのです。そして、パート社員の戦力化対策も同時に行い組織強化を図ります。優秀なパート社員を正社員として登用することも他の社員への刺激になってきますし、いつまでもワーカー意識から抜け出せない正社員の処遇も考えなければなりません。

 これからの時代は、単に正社員かパート社員かで区分するのではなく、その人材がプレイヤーなのかワーカーなのかで区分し、処遇を決定するような時代になってくるでしょう。

益子

ロゴ社会保険労務士法人 D・プロデュース