皆さんの会社には就業規則はありますか? 
 
 正社員のほか、パートタイム労働者も含めて常時10人以上の労働者を雇用する会社は、就業規則を作成し、労働基準監督署への届出をすることまでが必要(義務)になります。
 
 では、パートタイム労働者用の就業規則はどうでしょうか。パートタイム労働者用の物が無いのであれば、個別の内容で労働契約を結んでいたとしても、正社員の就業規則の内容が適用されることも考えられます。

 正社員の就業規則のパートタイム労働者に対する適用については、「同一事業場内の労働者である限り、その一部の者に対しても、当該就業規則は当然に適用されるものであるから、一部の労働者に対して特別な取り扱いをする場合には、当該就業規則の中に又は当該就業規則とあわせて、除外規定又は特別規定を定めなければならない【昭16.3.14】」との行政解釈が出されていて、パートタイム労働者は、その「一部の者」に当たります。

 労働基準法第93条は、「就業規則に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。この場合において無効となった部分は、就業規則で定める基準による。」と定めており、パートタイム労働者に適用する就業規則がない場合、正社員の就業規則が適用されるという解釈が生じてきます。

 賞与、退職金といった事項については、パートタイム労働者には適用しない旨を労働契約等で特約しても、就業規則中にパートタイム労働者は除外する旨の規定がなければ、その特約は無効になる恐れがあるので注意する必要があります。

 無用なトラブルを避けるためにも、パートタイム労働者用の就業規則は作成しておくことをお勧めします。

社会保険労務士法人 D・プロデュース