2006年03月
2006年03月12日
悩んでいませんか？労働保険・社会保険の新規適用
会社（法人）が従業員を雇うようになると労働保険・社会保険の新規適用が義務付けられています。
○労働保険・・・雇用保険、労災保険
○社会保険・・・健康保険、厚生年金保険、介護保険、国民健康保険、国民年金
労働保険・社会保険の新規適用に関する書類を作成するには、社会保険事務所やハローワークなどで案内はしてもらえますが、時間もかかり、難解な法律用語や行政用語などの理解がある程度必要です。さらに添付する書類もたくさん準備しなければなりません。
社会保険については、「関係書類を提出してハイ終了。」と簡単には終わらず、後日、提出書類などに関して役所の調査が行われます。またその後日、説明会が開催されるので、この対応も必要です。
これらの手続き（手間・時間）を自社で行うかアウトソーシングするかは、正直悩みどころだと思います。
しかし、事業経営の全体の視点から考えると、本業への集中、スピード（時間の節約）、正しい手続きなど、アウトソーシングするメリットは大きいと思われます。
書類を作成をするだけならば自ら対応はできます。従業員に任せると、そこには余分な労力だけでなく人件費もかかります。
また、今後継続的な手続きをすることが必要になってきますので、その知識が必要になり、担当者が退社してしまった時などは、十分に引き継ぎがされていなければ、ミスの発生リスクや後任者の再教育が必要になってきます。
労働保険・社会保険の手続きは定期的・臨時的に行わなければなりません。また、これらの手続きは頻繁な法律改正によって変更内容も多くその内容は多岐にわたっています。
当社では、労働保険・社会保険に関する必要な手続きを会社にとって最も有利な方法で行い、人事労務相談をはじめ、効率的な事業経営をサポートしていますのでお気軽にご相談下さい。
社会保険労務士法人 D・プロデュース
続きを読む2006年03月11日
中小企業の退職金準備 （中小企業退職金共済制度）
退職金制度は優秀な従業員の定着を促し、長く勤務してもらう大きな動機にもなります。いろいろな考え方はありますが、従業員のためだけでなく、企業のためにも整備しておきたい制度のひとつといえます。
中小企業退職金共済制度（以下「中退共制度」）は、法律で定められた社外積み立て型の退職金制度です。また、掛金の一部は国から助成され、掛金は税法上全額非課税になるという、たいへん有利な制度です。
＜助成内容＞
�／靴靴�制度に加入する事業主には、掛金の１／２を契約後４ヶ月目から１年間助成されます。（５，０００万円が上限です。）
��掛金を増額する事業主には、増額分の１／３を増額月から１年間助成されます。（ただし、増額前掛金額が２万円未満の場合に限られる。）また、掛金の月額は、加入後いつでも増額変更することができます。
＜税制の特典＞
中退共制度の掛金は、法人企業の場合は損金として、また、個人企業の場合は必要経費として、全額非課税となります。（掛金は全額事業主が負担し、従業員に負担させることはできません。）
既に退職給与引当金制度を持っている企業の場合には、中退共掛金はそのまま損金または必要経費に算入し、一方の退職給与引当金は、退職金規程の定め方によって、引当金への繰入額を調整することになります。
＜加入できる企業＞
�‐鏤�雇用する従業員数が３００人以下で、資本または出資の総額が３億円以下の法人の事業主
��卸売業を主に営む事業主であって、常時雇用する従業員数が１００人以下で、資本または出資の総額が１億円以下の法人
��サービス業を主に営む事業主であって、常時雇用する従業員数が１００人以下で、資本または出資の総額が５千万以下の法人
�ぞ�売業を主に営む事業主であって、常時雇用する従業員数が５０人以下で、資本または出資の総額が５千万以下の法人
＜加入できる人＞
従業員は原則として全員加入となります。法人企業の場合、役員は原則として加入させることができません。ただし、役員であっても、部長・支店長等従業員として賃金の支給を受ける等の実態があれば加入させることができます。加入は一般の従業員だけでなく、パートタイマーの従業員も加入することができ、一般の従業員の掛金より低い掛金が用意されていて加入しやすくなっています。
社会保険労務士法人 D・プロデュース
2006年03月10日
改正労働安全衛生法が４月からスタート
平成１８年４月１日から、改正労働安全衛生法が施行されます。
改正内容は多岐に渡りますが、主な改正ポイントは、「過重労働・メンタルヘルス対策としての医師による面接指導制度の導入」でしょう。
法律の対象はすべての事業場となっています。（ただし、常時５０人未満の労働者を使用する事業場は平成２０年４月からの適用になります。）
事業者は、労働者の週４０時間を超える労働（いわゆる残業）が１月あたり１００時間を超え、かつ、疲労の蓄積が認められるときは、医師による面接指導を行う事が義務化されます。（労働者からの申し出が必要です。）
この改正は、メンタルヘルス対策としての側面もあり、事業者は必要があるときは、就業の場所の変更や、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数減少などの措置を講じるほか、医師の意見の衛生委員会等への報告などを行うことが必要となります。
|
|
また、事業者は、次の�，泙燭廊△乏催�する労働者にも、面接指導を実施する、又は面接指導に準ずる措置を講じるよう努めなければなりません。
|
厚生労働省では労働者の疲労蓄積チェックリストを発表しているので、関心がある方はご覧ください。チェックリスト
改正労働安全衛生法の項目については続きをご覧ください。
社会保険労務士法人 D・プロデュース
続きを読む2006年03月09日
会社の設立（創業・開業）や異業種進出で人を雇うときの助成金
中小企業が、創業や異業種への進出、経営革新などで基盤となる人材を雇い入れるときに利用できる助成金をご存知でしょうか。
「中小企業基盤人材確保助成金」は、基盤人材一人当たり１年で１４０万円（５人まで）、一般労働者一人当たり１年で３０万円（雇用する基盤人材と同数まで）がもらえる内容となっています。（つまり最大で８５０万円まで受給可能です。）
受給要件は、
�仝柩冓欷韻療�用事業主であること。
�∩篭箸篆景�野進出にあたり計画の事前認定を受けること。
�７弉茲猟鷭亳紕映�以内に人材を雇い入れること。
�せ�業に関する費用が３００万円以上であること。
創業とは、個人が新たに事業を始めたり、企業が新たに企業を設立することで、異業種進出は、現在の事業とは別の業種に進出することをいいます。
この助成金は会社設立等（創業・異業種進出など）から半年以内に「権利」を確保しておく手続きが必要です。そして、結果的には人材の雇い入れをしなかったとしても会社にペナルティーはありませんので、該当する会社や個人事業主は申請手続きをしておくことをお勧めします。
また、介護分野の場合にはこれと同様の助成金があり、�い裡械娃伊�円の資本負担は必要ないので利用しやすくなっています。
詳しくは続きをご覧下さい。
続きを読む
2006年03月08日
解雇予告と除外認定
労働トラブルで最も多いのが「解雇」に関することです。
労働者を懲戒規定に基づいて即時解雇しようとするときは、解雇しようとする日の少なくとも３０日前にその予告をする必要があります。そして、３０日前に予告をしない場合は、３０日分以上の平均賃金（解雇予告手当）を支払わなければならないと労働基準法で定めてられています。（法２０条）
この解雇予告は口頭で行っても構いませんが、トラブルになりやすいので、きんと文書にして意思表示を明確にしておくことが労務管理上、非常に大切になります。
そして、次の場合には解雇予告は必要ないとしています。
�‥刑劼覆匹修梁召笋爐鯑世覆せ�由のために事業の継続が不可能となった場合
�∀�働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合
＊�´△箸發墨�働基準監督署長の認定が必要となります。
そして会社は、この解雇予告除外の認定手続きとして、就業規則や労働者名簿、出勤簿、経過報告書などと共に、労働基準監督署へ「解雇予告除外認定申請書」を提出することになります。
�△砲弔い討蓮¬誼之膓个砲弔い討錬化鬼岼幣紊�目安とされていますが、その他、経歴詐称や刑法犯に該当する行為（横領や傷害など）もこれに当てはまります。
勤務状態不良の労働者を解雇しようとする場合、その人は何らかの問題（事情）を持っている訳ですから、会社には慎重な対応が求められますね。お金に困っている労働者が、わさど社長や上司を怒らせて「お前はクビだ！」という言葉を引き出し、解雇予告手当を払え！と訴えるというような悪質なケースもあるそうです。勤務先を転々とし、解雇予告手当を受け取って回るような人もいるといった話も聞いた事があります。
また、以下の者にはもともと解雇予告の規定は適用されていません。（原則）
�‘�々雇い入れられる者（日雇い労働者など）
�■殴�月以内の期間を定めて雇用した者
�５╂疆�業務（海水浴場や除雪の業務など）に４ヶ月以内の期間を定めて雇用した者
�せ醉儡�間期間中（１４日以内）の者
＊たとえ会社の規則で３０日間の試用期間を設けていたとしても、１４日を超えた時点で、解雇予告の規定が適用されます。
社会保険労務士法人 D・プロデュース
2006年03月07日
継続雇用の対象者について
平成１６年６月に成立した改正高年齢者等雇用安定法に基づいて、いよいよ今年の４月から次のいずれかの雇用確保の措置が事業主に義務付けられます。（違反事業主は行政指導の対象になるので注意してください。）
�。僑戯个泙任猟蠻�引上げ
�■僑戯个泙任侶兮蓋柩兩�度の導入（再雇用制度など）
�Ｄ蠻�の定めの廃止
＊��を除く雇用確保措置の対象年齢は年金（定額部分）の支給開始年齢引き上げスケジュールに合せて、平成２５年まで段階的に引き上げればよいことになっています。
それぞれ導入するときに企業が注意しておくべきことは多々ありますが、今回は、おそらく最も多くの企業が導入すると思われる��継続雇用制度の導入についてポイントをご案内します。
この雇用確保措置は、原則として労働者が希望する場合は６５歳まで雇用延長する必要があります。しかし、各企業の実情に応じて柔軟な対応がとれるように、「労使協定」で対象となる労働者の基準を定めたときは、希望者全員を対象としない制度の導入も可能となります。ただし、選定基準を設ける場合は、労働者の意欲や能力（体力・技能・知識・経験など）について客観的かつ具体的に設定することが必要です。 具体例について詳しく知りたい方はこちらまで。
たとえば、「会社が必要と認める者」、「上司の推薦がある者」といった選定基準は認められません。これらは基準を定めていないことに等しいと考えられます。たとえそのように就業規則に定めてあったとしても、対象者の基準について、このように規定されているものは適切ではありません。
では、「過去○年間の人事考課が○以上である者、又は、会社が必要と認める者」といった場合はどうでしょう。これは法律違反とまではいえません。しかし、「過去○年間に人事考課が○以上であり、かつ、会社が認める者」といったような組み合わせは、それが労使間で十分協議されたものであったとしても法律違反となります。（事業主が恣意的に継続雇用を排除する可能性があるためです。）
また、職種別に異なる基準や管理職であるか否かによって異なる基準を定めることは可能ですが、労使間で十分に話し合って、労使納得の上で策定されたものであることが必要です。
なお、会社は労務管理として、対象者から「継続雇用希望届け」などを提出させることも良いでしょう。
このように、企業の実情に合せて様々な設定基準が考えられますので、基準作成の際には、お気軽にご相談下さい。
社会保険労務士法人 D・プロデュース
2006年03月02日
結婚する女性社員への退職勧奨
一般に「退職」には、使用者と従業員との合意で雇用契約を終了させる場合と、労働者が一方的に雇用契約を終了させる場合とを含みます。
一方、「解雇」は使用者が一方的に雇用契約を終了させる場合です。使用者が、期間の定めのない雇用契約による従業員（一般の社員は通常この形態です。）を解雇する場合は、通常、合理的な理由があり、かつ３０日前の解雇予告あるいは予告手当ての支払いをすることが必要とされます。
退職のすすめ（退職勧奨）は、解雇とは異なり、使用者が従業員に対し、退職するよう（合意による雇用契約の終了をするよう）促す行為です。退職勧奨がなされた場合、労働者は自発的に退職することを選ぶことができますが、これに従う義務はないので、退職しないで働き続けることもできます。
そして、使用者側による退職強要等に基づいて従業員が退職届や退職願を提出した場合は、従業員の真意と異なるとして取り消しや無効とできる場合もあります。（民法９３条、９５条、９６条）
では今回のテーマですが、女性社員に対し結婚することを理由として、本人の意に反して退職させることはできません。たとえそれが「暗に」であっても上司が退職を勧めるということは、部下である本人にとっては退職を強要されたといえる場合があります。
さらに、結婚を期とした退職勧奨は、一般的には、男性には行わず、女性についてのみ行われるものでしょうから、雇用機会均等法の精神に反するものとして、この退職勧奨は違法とされる可能性が高くなります。
この場合、この上司は不法行為責任を負うことになり、上司が不法行為責任を負う場合は、会社も上司の使用者として不法行為責任を負う可能性があると考えられています。
社会保険労務士法人 D・プロデュース
2006年03月01日
残業は一定時間までで打ち切ることは可能？
法定の労働時間を超える労働（時間外労働）は本来禁止されていますが、多くの企業では、労基法３６条に基づく協定（３６協定）などで、一定の時間外労働（残業）をさせることができる措置が講じられています。
この場合でも、使用者である会社等は労働者に対して、労働者が法定労働時間を超えて行った労働について、通常の賃金より２５％以上多い割増賃金を支払わばければなりません。
深夜労働についてもやはり２５％以上の割増賃金を支払わなければなりませんので、一般的には、残業が深夜に及ぶ場合には深夜労働に対しては、５０％以上割り増しした賃金を支払う必要があることになります。
使用者が支払うべき割増賃金を支払わなかった場合は、それを支払わなければならないのはもちろんのこと、これと同額の附加金（労基法１１４条）の支払いを命じられる場合があります。
さらに、支払いを怠ると６ヶ月以下の懲役または３０万円以下の罰金を科される場合もあります。
たとえば、ある会社で、正社員については午後８時以降の残業分についてのみ残業代を支払うとしていた場合、所定労働時間を超える時間分の残業代を支払うことはもちろんのこと、その社員が「管理者もしくは管理の地位にある者」等にあたらないならば、これば法律違反となります。
この「管理職」であるかどうかは、肩書きによるだけでなく、「実質的」に判断されるものとされていますので注意が必要です。
社会保険労務士法人 D・プロデュース
